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2016年03月23日

フォーラム瓦版第9号 ローカルベンチャーという新しい起業のかたち

2/27開催のローカル・イノベーターズ・フォーラム2016では、14のテーマに分かれローカル・イノベーション戦略会議を行いました。

ここでは、戦略会議の内容を簡単にまとめた瓦版を順次掲載していきます。

 

「ローカルベンチャー」という 新しい起業のかたち

ローカル・イノベーターズ・フォーラム瓦版第9号

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>(クリックでPDFを表示)瓦版第9号「「ローカルベンチャー」という 新しい起業のかたち」

登壇者
小尾勝吉氏(愛さんさん宅食株式会社代表取締役、宮城県塩竈市)
久保田靖朗氏(合同会社 fluir代表、宮城県七ヶ浜町)
井筒耕平氏(村楽エナジー株式会社代表取締役、岡山県西粟倉村)

ファシリテーター
渡邉さやか氏(一般社団法人re:terra代表理事、岩手県陸前高田市)

 

プレゼンテーション概要

小尾:宮城県塩釡市で、障碍者やお年寄りの方に食事の宅配サービスをしている。実は障碍者・高齢者に関する分野に疎いまま、起業した。弱者の負の連鎖を断ち切るのが目標。要介護者は増えるのに、介護を担う人は少ない。石巻市で考えると、1人の介護要員を3名で取り合っている状況。今年の2月に全国向けの宅食サービスを始めた。配送方法を工夫して、半島や離島などこれまでなかなかサービスが行き届かなかった地域にも届けている。また、その延長で介護サービスも導入を始めた。職員に介護資格を取得させている。お客さん・スタッフが「この会社に出会えて良かった」というような会社を目指している。

久保田:宮城県七ヶ浜町で、「海の軽井沢・七ヶ浜」をテーマに、これから事業を行っていく。七ケ浜町は、仙台から30 分くらいで行くことができる場所。東北で1番古くて、日本で3番目に古い海水浴場。コンセプトは「仙台圏の週末リゾート菖蒲田浜」。2040 年代に消滅する可能性がある都市に、七ケ浜が入っている。ビーチでのイベント、カフェ、清掃の事業を展開中。菖蒲田浜を仙台圏のリゾートに戻したい。きれいにするだけではダメで、「遊んでいい場所なんだよ」という風にイメージを転換していくことを目指している。これは若い世代がやっていかなければならないこと。

井筒:岡山県西粟倉村で観光業をやろうと考えていたが、地域資源として木があることに気付いた。木のエネルギー利用をしようというのがスタート。現在では日帰り入浴出来る温泉を薪ボイラーで回している。最初は化石燃料を使用していたが、木を使うことでエネルギー代が大幅に削減した。薪ボイラーの灰は肥料として使えるため、物々交換という形で地域の人から野菜などを頂いている。ゲストハウスも経営しており、食材が必要なので有難い。週一の介護サービスもやっている。人々が必要なことをやっていれば、よそ者も受け入れてもらえることに気づいた。ハードを作るのは苦手だから、ソフト面を作ろうと考えてきた。そこで自分の居場所を見つけた。

 

ディスカッションより

・東北や地域ではどんどん状況が変わっていく。その変化に合わせつつ、事業を展開している。(渡邉)

・東北になじむことは鉄の壁だった。どうやって壊したか? とにかく実績を積むこと。(小尾)

・帰らずに地域に居続けたのは、地域の人の言葉。「家も、地域も一緒だ。人がいないとダメになる。だから俺はこの場所を離れねぇんだ。だから俺はできることなんでもやるから」といってくれた。(久保田)

・耐えるっていう感覚じゃない。認めてもらおうと思ってやるわけでもない。その先を見てる。まずは信頼作ってやっていくって決めたわけだから、当然やる。そのシンプルな思い。(小尾)

・バイオマスエネルギーを地域に導入させたいっていう思いがあった。ダメな意見ばっかり聴いててもしんどいから、応援してくれる人を増やしていく。(井筒)

・きれいなストーリーになりがちだけど、みんな受け入れられなかったり苦労している。その地域に求めれること、必要なことをどんどんやっていくのが、ローカルイノベーターが事業を拡げていく理由かもしれない。(渡邉)

・地域おこし隊でエネルギー事業をする1スタッフとしていったが、プレーヤーがいないことに気づいた。じゃあやるしかないか、と。「こわい」っていう思いはあるけど、田舎にいると米植わってる。だから死ぬことはないなと(笑)。(井筒)

・そこに骨をうずめなくてもいいと思う。ただ、どう関わるのか覚悟を決めるのってすごく大事。(渡邉)

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