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2016年03月22日

フォーラム瓦版第5号 増え続ける社会保障費、地域の健康をどう守る コレクティブインパクト(価値の共創)による課題解決

2/27開催のローカル・イノベーターズ・フォーラム2016では、14のテーマに分かれローカル・イノベーション戦略会議を行いました。

ここでは、戦略会議の内容を簡単にまとめた瓦版を順次掲載していきます。

増え続ける社会保障費、地域の健康をどう守るのか? コレクティブインパクト(価値の共創)による課題解決モデル

ローカル・イノベーターズ・フォーラム瓦版第5号

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>(クリックでPDFを表示)瓦版第5号「増え続ける社会保障費、地域の健康をどう守るのか? コレクティブインパクト(価値の共創)による課題解決モデル」

登壇者
ジェフリー・シュワルツ氏(ブロード・コミュニティ・コネクションズ代表、米国ニューオリンズ)
小松洋介氏(NPO法人アスヘノキボウ代表理事、宮城県女川町)

ファシリテーター
石川孔明(NPO法人ETIC.リサーチ・ディレクター)

 

プレゼンテーション概要

シュワルツ:ニューオリンズで、中小企業組織行政と協力し生鮮食料品を提供することなどを通じて、健康的なコミュニティをつくる活動を行なっている。NO では、食生活に起因する健康問題があり、それは所得格差からくるものだった。私たちBCC は、エビデンスベースでのアプローチをとっており、コミュニティに何が必要かデータをもとに検討する。プロジェクトを始める前に大学とともに指標をつくり、進捗評価もしている。もっとも大事なことは、個々の組織がそれぞれで活動するのではなく、組織同士が連携することで大きなインパクトを与えることができるということ。そしてNPO は、政府行政と地元の人たちとの懸け橋になることができる。

小松:女川のメタボ率は低くはない。メタボは、医療費に跳ね返ってくる。まちづくりにしてもすべてのベースに健康がある。「健康」「子供」「経済」を軸に、「健康から経済を動かすプロジェクト」を立案。子どもたちに対しては、地元の食材で栄養バランスをとった食事がとれる場所をつくる。健康に関しては、健康な食事のとり方、料理教室、検診、日々の体のチェックを提供したい。女川町、製薬会社、地元産業界、地元教育界との協働を想定。性別や年齢ごとのシミュレーションをつくり、自身の状態を点数化できることも計画中。

 

ディスカッションより

・こうしたコミュニティに対してサービスを提供するときにはまずその場所で何が起きているのか知ることが大切。(シュワルツ)

・その土地に根差した土着のコミュニティに密接に結びついたサービスを開発・提供することが必要。(シュワルツ)

・場合にもよるが、NPO、行政、利益団体が複合的にサービスを提供することによってより良い結果をもたらすことができる。(シュワルツ)

・(行政などは)ハコモノだけを作ったり不動産のリノベーションをすれば十分だと考えるが、そこで行なうプログラムが重要。また、通常は資金提供をするということだけで終わってしまうが、長期的なプログラムを作らなければ、より健康的なコミュニティづくりはできない。その点、NPO は、プロジェクトに対して専門的で大きなインパクトを与えられる。(シュワルツ)

・パートナーシップが非常に重要。協力することによって長期的な変化が生み出される。(シュワルツ)

・住民の近くでサービスが提供できること、できるだけそうした人が支払えるくらいの範囲でまかなうことが大切。(シュワルツ)

・もっとも大事なことは、個々の組織がそれぞれで活動するのではなく、組織同士が連携することで大きなインパクトを与えることができるということ。(シュワルツ)
コレクティブインパクトは様々なステークホルダーが共通のビジョンを持つことが重要。(シュワルツ)

・以前は環境経営だったが健康経営にシフトしている。大きなテーマになっていて健康経営銘柄などが出てきている。移住する、サテライトオフィスを設けるなら、社員が健康になれる場所になると思う。(小松)

・パートナーシップは大きなキーワード。地域と組むというよりは、地域の企業とビジネスをやる流れだと思う。(小松)

・健康は数字が取りやすいので結果をフィードバックする。(他団体に対して)研究や町での動きに使てってくださいと言っている。女川もそれを使って健康になる。(小松)

・被災地の話になると、ナレッジを持っている企業が地域を支援する話も多いが、どちらもメリットがないと長期的なパートナーシップにならない。(小松)

 

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