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2016年03月23日

フォーラム瓦版第13号 インバウンド観光〜世界に開かれた地域にする戦略

2/27開催のローカル・イノベーターズ・フォーラム2016では、14のテーマに分かれローカル・イノベーション戦略会議を行いました。

ここでは、戦略会議の内容を簡単にまとめた瓦版を順次掲載していきます。

インバウンド観光〜世界に開かれた地域にするための戦略とは?

ローカル・イノベーターズ・フォーラム瓦版第13号 c1-2

>(クリックでPDFを表示)瓦版第13号「インバウンド観光〜世界に開かれた地域にするための戦略とは?」

登壇者
須永浩一氏(ヤフー株式会社社長室/ツール・ド・東北実行委員会運営ディレクター/一般社団法人リボーンアートフェスティバル理事、宮城県石巻市)
宮川舞氏(南三陸町産業振興課観光振興係係長、宮城県南三陸町)
小関哲氏(ナガサキアイランズスクール代表、長崎県平戸島)

ファシリテーター
山内亮太氏(南三陸観光協会/南三陸まちづくり未来事業プロデューサー、宮城県南三陸町)

 

プレゼンテーション概要

須永:震災以降に事業を立ち上げて石巻に。「課題解決エンジン」で経営陣が変わった。IT で社会課題を解決することにシフトした。「復興デパートメント」というEC サイトを立ち上げたり、津波で壊れた建物をリノベーションしてオフィスにしたりしてきた。そして2013年から「ツール・ド・東北」というイベントを開催してきた。柱は3つ。10年続けること。みんなでつくること。収益金を基金化すること。経済波及効果は、去年は約8億7000 万円。これからは、効果の通年化、海外からの訪日観光客対策の強化、ツール・ド・東北をコアにした新たなエコシステムの構築、をしていきたい。石巻市が東京五輪に向けてキャンプ地として手を挙げられるように。

宮川:非常によくも悪くも、震災は大きな転機。たくさん人を呼び込むようなキャンペーンは、宮城県で平成19 年までなかった。少子高齢化、自治体の縮小、観光交流を起爆剤として生きがいづくりを始めたのが平成19 年。だから業界的には新参者。観光を通して地域づくりにかかわる住民が増えたのは、震災があって初めて見えてきた成果。南三陸は全国で3位の人口減少率。なぜ交流事業が必要なのか。一つはまちの誇りを取り戻すため。二つ目は南三陸らしさを見失わないため。三つめは地域づくりの手段として。交流によって地域にどんな効果が出るか期待している。南三陸で面白いことが起こる可能性がある。

小関:今まで1万泊のお世話をしてきた。外国人の方がこの事業に価値を感じお金を払ってくれる。インバウンドには英語力が必要と言われるが、地域をどうにかしたいという思いや、当事者意識のある人がいることの方が大事。英語は流暢なコーディネーターが1人いれば、あとは国内外から、留学経験のある若者を短期インターン通訳として募るとよい。海外留学をする学生は、日本の「ふるさと」にも関心や意識が高い。地域のおじちゃんおばちゃんと、子や孫のような若者がチームとなり、外国からの訪問客を受け入れることに力を尽くす。それは国際交流事業である以上に、志ある若者に「地域で活躍する機会を与える」という育成事業でもあると私は思っている。

 

ディスカッションより

・そもそもインバウンドの目的は地域づくり。その視点で考えるとその前にまず考えないといけないのは国内外問わず交流をどう地域づくりにつなげていくかということ。(山内)

・交流事業から受ける効果は必ずしもお金だけではない。被災地全部そうだと思う。大きな災害があっても、この場所で生きていくという力や誇り。それらが交流によって得られることが何よりの効果だと思う。(宮川)

・交流は、この場所で生きていく力や誇りを育む可能性を秘めているということ。その一つのアプローチとしてのインバウンドは、外国人という異文化の存在を目の前にした時に、新しい自分自身や自分の地域の魅力を発見できるということ。(山内)

・震災直後ボランティアに行ったとき、個人の力の小ささを感じた。会社の力を使えばもっと大きな支援が出来る。と感じて実行している。これからは役割分担が大事になる。(須永)

・韓国人の話を聞いたが、放射能の懸念で宮城や福島に関しては旅行商品をつくれないらしい。行くことができても秋田まで。岩手は無理と。(参加者)

・福島には放射能の問題で行かないという人も多いが、安全を確認できれば、だからこそ行きたいという人もいる。パイは小さくなるかもしれないが確実にそのような人にリーチ出来ればよいのでは。(小関)

 

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